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会場はワシントンDCの中心部、ホワイトハウスから数百メートルしか離れていないホールだ。雪で、どこが道路なのか分からないような中、運良く会場の前に路上駐車することが出来た。会場は、DAR (Daughters of the American Revolution)という財団が運営しているもので、その名の通り、アメリカ独立戦争に関わった女性たちの装飾品を中心とした博物館に併設されているホールである。もっとも、建物の中は近代的なアリーナ形式のホールで、3,700人のキャパらしい。
彼らの曲がかかるラジオ局は、いわゆるオルタナティヴ系のみならず、ポップ系のラジオ局だったりする。サウンドはあくまでもヘヴィーであるが、うるさくならない程度で、予定調和的で分かりやすい曲展開、ベタベタな歌詞のラヴソング...そんなところが、ポピュラリティを得ているに違いない。会場に入って周りを見渡すと、そんな音楽性を反映するかのように、年齢層は幅広く、10代前半から30代後半まで。しかし、日頃ライヴに行き慣れてる人は少ない感じで、「この雪ならコアな音楽ファンが...」という予想とはちょっと違った。
昨年、彼らを見たときは、全くバンドの様子が観察出来なかったが、今日はわりと前方の席ということもあり、ゆっくり観察。
ボーカリストは地味だ。野球帽子をかぶりラフな格好で、はっきり言って、どこにでもいそうなアメリカン兄ちゃん。ギタリスト(左側)は、星条旗やクラシック・カー風にペイントされたポール・リード・スミスのギター、もう一人のギタリスト(右側)はハムバッカー搭載のギターで、二人合わせてヘヴィーなツイン・ギター・サウンド。前半部はクリーン・トーンでのアルペジオで、サビで歪んだ大爆音というのはやや一本調子でもあるが、その分聴きやすくもある。ベーシストはメタリカの現ベーシスト、ロバート・トゥルジロに影響を受けたのがバレバレで、ベースの抱え方もアクションもソックリ。しかしギタリスト2人がほとんど動かない分、盛り上げ役と徹し、ステージ左右を動き回っていた。ドラマーは相変わらずドラムソロがすごく、「ドコドコドコドコ...」と、バスドラムをものすごい速さで連打しながらハイハットを上下から叩き、手足ともにお派手な技を披露。
曲群は、"Kryptonite"、"When I'm Gone"、"If I Could Be Like That"など、ラジオでかかりまくってるヒット曲のオンパレード。まあ、いずれも及第点だったけど、飛びぬけてスゴいという訳でもなかった。曲の質は高いんだが、全体的な流れにバリエーションが少ない、という点も災いしていたかも。
アンコールでは、最近ラジオでもっともかかってるんではないかと思う、ベタベタなバラード、"Without You"が演奏され、観客のみならず警備担当のデッカイ黒人兄ちゃんまでが大盛り上がり。観客誘導用のペンライトを持った片手を上げながら、リズミカルに左右に振るのはまだしも、その場を勝手に仕切りはじめ、ステージ脇で見ていた女の子を勝手に最前ブロックに招きいれたり、だからと思うと、野郎には「ここで見ろ」と空いている席を指定したり。でも、誰もその巨体には逆らえないのだった。アンコール2曲目は、レナード・スキナードのカバー、"That Smell"だったが、知ってる人は少ないみたいで、原曲とほぼ同一のアレンジもメリハリに乏しく、やや今ひとつ。もう1曲"Changes"を最後に演奏して、お開きとなった。
まあ、ライヴ自体は正直なところ平均点、といったところもあり、一番印象に残っているのは、やはり極寒ぶり。帰りのドライブは、気温は-10度前後で、ひどい吹雪。当然ながらみんな徐行運転するかと思いきや、調子に乗ったSUVがアホみたいに飛ばすもののスリップ気味になってる。ワイパーに付着した雪が瞬時に凍ってしまい、ワイパーの機能を果たさないものだから、視界が極端に下がりハラハラする。やむをえないので、吹雪の中、はりついた氷を剥がしに、たびたび車外へ出る。こんな経験の方がライヴよりスリリングだったのは言うまでもない。.
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