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まず、冷たい雨に打たれながら入場した直後に偶然会ったこうさんから「今日はアコースティックライヴなんですよね。ホームページにも書いてありましたよ。」と聞かされて腰を抜かしそうになった。(・・・でも実際に腰を抜かしたことはないんだけど。)確かにステージ上に目を転ずるとドラムセットがない・・・。「すごくいいライヴだったけど、バンドセットだったらもっとよかった。」と書くことになるに違いないと思ったが、やっぱり最後にそう書いているはずである。
アストロホールは大好きなハコで、ドリンク代は強制徴収だわ、係員はうるさいわ、ドリンク飲むスペースもないわ、これといった特徴もないわ、ステージは低いわ、音は悪いわ、と素晴らしい部分を挙げればキリがないので、「弾き語りライヴ」と初めから知っていたら来なかったかもしれないな、とも思った。(・・・いや、結果的には悪くなかったんだけど。)
(Start - 19:08)
ボブ・ディランのSEを切り裂くかのように、開演と同時に自身の名前が赤字で大書された白地のバックドロップの前にすっ飛んできたベン・クウェラー(25)。直前に聞いたこうさん情報が裏切られることはなく、年季の入ったアコースティックギターを抱え、"日本で習ったカラテでヤツを殺してやる・・・"と歌われる「On My Way」からショーがスタート。髪の毛がさらに伸びた分、声の伸びがあまりないかなといった印象はあるけど、ショーを台無しにするほど悪くはない。
「Walk On Me」「Commerce, TX」といったアップテンポの曲が続くと、ベンのアコギを聴きながらどうしてもドラムの音を頭の中で鳴らしてしまう。(ベン・クウェラーネタになると何度も書いているけど、自分が10年前(!)に住んでいたのはこの「Commerce, TX」で、ベンの出身はそのとなり街の「Greenville, TX」というところ。)もちろんベンのギターと声をクリアに聞けるのは嬉しいんだけど。
「My Apartment」という曲のMCでは、かつてベンが住んでいたニューヨーク・ブルックリンのアパートで火事に遭った話が出た。「・・エイミー・リンという人がいて、アパートの1階に住んでいたんだ。彼女は東京に引っ越してきたばっかりで、今この会場に来ているんだよ!」というと、自分の横の方で「キャー!」とわめく白人女性の声を聞いたベンは、「その叫び声は彼女のようだね。この曲はエイミーに捧げます!」と言って曲を始めた。アメリカ人の旦那さん同伴のエイミーさんは、メロディが聞こえてくると目頭を押さえて大泣きしていた。
「My Apartment」の最後にギターとピアノを交互に弾いた後、ピアノ弾き語りセットへと移った。そして手始めにベン曰く歌詞が"Very Japanese"だという「Sha Sha」、続いて美しいイントロに大歓声が上がった「Run」、そして「"On My Way"というアルバムの最後の曲。」というMCに導かれて「Different But The Same」が歌われた。
シアトルでも聞いた「Nothing Happening」にひとしきり感動した後、客席から上がった「Sha Sha!」という声に対して、「それはもうやっちゃったしなぁ。」といいつつ、「Sha Sha」の伴奏に合わせて「オイシイ・・・デス♪」と「Sha Sha No.2」を歌ったベン。「フォーリン!」という客席からの声に、「お!それだ!」と相槌を打ったベンは引き続いて「Falling」を弾き語った。
「次は、自分が書いたんじゃないんだけどとても Lovely な曲で、Beach Boys の Brian Wilson の曲なんだ。」と紹介した「God Only Knows」には、選曲のよさに感銘を受けたオーディエンスからため息が漏れていた。だけど前後に歌われた「Living Life」も負けず劣らずいい曲だと思った。
ピアノの弾き語りが9曲続いたところで、再度アコースティックギターにスイッチ。「次は何やるの?!」というオーディエンスの声に、「次は Family Tree だよ!」と叫んで始まったこの曲では、演奏を途中でストップし、「こっち側の人は "You are..."、真ん中の人は "You are..."、こっち側の人は "You are..."と歌うんだよ。分かった?」と言って(・・・自分で書いていてよく分からん文だが。)、一度リハーサルした後で曲を再開し、歌いながら「まだだよ・・・。はい、もうワンフレーズあるからね・・・・。よしこい!」と音頭を取ってオーディエンスにコーラスをさせていたベン。その感動の程は「美しい! レコーディングしとくんだった・・・。」という彼のコメントに現れていた様である。
イントロでレコード通りにハーモニクスをきちんと鳴らしてスタートした「I Don't Know Why」や、中間部でアコースティックギターにディストーションをかけていた「Wasted & Ready」ではさらに積極的にオーディエンスにコーラスを求めるベン。「The Rules」ではメタリカの「エンター・サンドマン」のギターリフと A メロまで披露していた。その後でいきなり始まった(なんちゃって)ギターソロにはカーク・ハメットの姿がチラりとダブって見えた・・・な。
「メチャメチャ楽しかったヨ! また日本に来たいので、友達に会ったら「Penny On The Track」をラジオ局にリクエストするように言うように! そしてCDを買うのも勧めるように! CDを買うのはたったの3000エンだし、ラジオ局に電話でリクエストするのはタダだよ!」と言っていたが、この時期に来日するアーティストは同じ年の夏フェスで再来日するケースが多いけれど、今年はフジロックにもサマソニにも呼ばれなかったんだろうなきっと・・・。
(End - 20:36)
バンドスタイルだとひたすら寡黙なベンだが、弾き語りスタイルだととても雄弁になるのには驚いた。雄弁であると同時にミスも少なくなく、演奏をやり直していたことも何度か・・・。とにかく2ヶ月前にシアトルで観た時とは内容がまったく違っていたのでそういう意味ではとっても楽しかった。(「I Need You Back」と「I Gotta Move」は演ってほしかったが。)
でも弾き語りでこんなに楽しいんだから、やっぱバンドスタイルでやってくれた方がもっと楽しいわな。「貴重」と言えるほど頻繁に来日するアーティストでもないから、アルバムが出たらまたCDを買うので、次は彼のロックンロールでもっと騒ぎたいなぁ。
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- On My Way
- Walk On Me
- Commerce, TX
- Lizzy
- My Apartment
- How It Should Be (Sha Sha)
- Run
- Different But The Same
- Nothing Happening
- Falling
- Hospital Bed
- God Only Knows
- Living Life
- Penny On The Train Track
- Family Tree
- I Don't Know Why
- Sundress
- The Rules
- Wasted & Ready
- ・・・ともう一曲。(以上、特に後半は順不同)
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