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| Eric Clapton | エリック、エレクトリック! |
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日本武道館 - 11/9/99
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日本武道館 - 11/29/99
「クラプトンは初日に限る」
勝手に自分で作った格言である。要するに客もクラプトンもまだダレていないからである。5回も10回も同じ場所でライヴを演っちゃあそりゃあ演る方も新鮮味がなくなるし、クラプトンのファンってのはリピーターが多くてひとつの来日公演に2度3度と足を運ぶ人も少なくないから、セットリストが似たようなもんだとだんだん驚きとかが無くなってきてしまって、公演も最後のほうになると客も演奏者もダレダレになってしまうのである。まだ8回しかクラプトンを観てない自分だけど、これは結構当たっているんじゃないかと思っているため、今回は友人Sやんに無理言って初日のチケットを取っていただいたのである。(Sやんありがとう!)
そして今夜がそのクラプトン日本ツアーの初日でなおかつ武道館8日公演の初日でもあったわけだ。 が、ワタクシKatsはいろいろと用事をこなしているうちに九段下の駅に到着したのがすでになんと開演時間の7時を回った頃だったのだ!! もうあせるあせる。「1曲目は重要だ」・・・・初日がどうのこうの言う前にこの格言を破るわけにはいかない! でもなんと外は土砂降りの雨・・・・。それでもまばらな人影の間を走る走る・・・・。カメラチェックもうざったいぜ。でも姉ちゃんかわいいぞ。そしてアリーナにある自分の席にたどり着いたちょうどその瞬間、客電が落ちたのであった。ギリギリチョップ、いやギリギリセーフ。
前置きが長くなったが、あ、もうひとつ言っておくと、今日のライヴは1人で観に来た。いや、ライヴって結構1人で行くことも多いのだけれど、これまで自分は他人と一緒にエリック・クラプトンを観に来たことは一度たりともない。そもそも友達が少ないってこともそりゃあ理由としてはあるけれども、いや、もちろんこれだけメジャーなアーティストだから行きたい人がいなかったわけではないし、自分が好きだった女の人とかも「行きたい」と言ってたこともあったのだけれど、それでもいつも1人でライヴを観に東京まで来ていた。その理由の一つには、やっぱクラプトンのライヴには、自分と同じか、もしくはそれ以上にクラプトンを好きな人と行きたい、ってことがあったし、そしてもうひとつには、24 Nightsの告白レビューにも書いたけれども、クラプトンに関しては非常にパーソナルな想い出がたくさんあるからってこともあった。いや、はっきり言えば、俺の泣き顔を見られたくないからである。 まあ、見られてもいい、ってそんな人が傍にいれば本当はいいのだけれど。
もうどうしようもなく前置きが長くなったので、この辺でいよいよライヴレポートの方へ進みたいと思う。いや、待て。 もうひとつ言っておくと自分は来日直前に出たライヴビデオも買わなかったし、98年以降のライヴのセットリストも全然チェックして来なかった。だからマニアなファンにしてみれば「そんなの最近しょっちゅう演ってるじゃん」と言われそうな記述、驚き、感動などもあるのだけれど、それはやっぱり「1曲目って重要だ」精神で大目に見ていただきたい。(・・・・そこまでマニアな人がご覧になっているとも思えないけど・・・) でもそうは言っても、はっきり言ってクラプトン初心者にはさっぱり分からない内容になっているので悪しからず。
さていよいよライヴレポートっぽいものを書きます。グレーがかったシャツに、ゆったりした地味目のパンツ姿のエリック。最近のトレードマークとなりつつあるメガネをかけて、ギターは黒のストラトキャスター。いわゆるこれはエリック・クラプトン・シグネチャー・モデルってやつである。ゆったりとしたコードアルペジオとオブリガード主体のソロが約1分弱続くと、そのまま1曲目の「My Father's Eyes」へ。はっきり言って好きな曲ではない。コード進行とメロディーがなんだか演歌っぽいから。でも嬉しかったのがベースがあのネーサン・イーストだったこと! どうも最近クラプトンバンドのベーシストはおっさんくさい人ばっかりでその辺が気に入らなかったのだけれど、このファンキー黒人ちゃんが戻ってきてくれてほんと大変に嬉しい! 前情報がなかったからなおさらだ! そしてキーボーディストも見たことがない人だし、ドラムのスティーヴ・ガッドは髪がちょい短くなってかっこいいし、コーラスのケイティー・キッスーンとテッサ・ナイルズのお姉ちゃん達(・・・いやもうおばさん達か?)はこれまで何度か見た中で今夜がもっとも美しい! 特にテッサ・ナイルズさんは、DMBQのよっちゃんの上を行く美しさだ!(特に髪型が好きだ)
「My Father's Eyes」のソロはとりあえずレコードそのまんまっぽい感じでなんとなく手探りな感じ。トーンは限りなくクリーンに近い感じでピッキングのニュアンスが非常によく伝わってくる。それにしてもSやんの努力のお陰で今夜の席はクラプトンの真正面のアリーナほぼ中央。メガネは必要だけど、とりあえずクラプトンのフィンガリングが良く見えて、音もちょっと回っているけどかなりいいっす。なんかじーっとこっちを見られているようで恥ずかしくもあるけどね。
「ハロー、コンバンワ!」という挨拶に会場から「おお!」という声とともに笑い声が・・・。いや、そのぐらいはしゃべるって。いや、初来日から25年ぐらいになるんだからもうちょっと日本語覚えてもいいって。 2曲目はギターのにっくきアンディー・フェアウェザー・ロウが黒のストラトからギブソンのセミアコに持ち替えて「Hoochie Coochie Man」。ドラムの方を向いたクラプトンのギターから、ででん・でで、というイントロが流れると会場からも「おお!」という歓声が上がる。ちょうどこの辺りになるとバタバタしていた開演前の気分もやや落ち着いて周りを見渡す余裕も出てくるのだけれど、やっぱり会場は満員。まあ年齢層の高さはそりゃあ言っちゃあお終いだって感じなのだけれど、ちょっと嬉しかったのは何年か前までによく見られた「クラプトンってギターも上手いのね」的な姉ちゃん達がいなかったこと。そしてそんな姉ちゃんを騙して会場に連れてくるような許せん兄ちゃん達もあまり見受けられなかったこと。なにせ曲が終わると「うわー、きやー、うめえ、すげえ!」といった感嘆の声がたくさん挙がっていたもんだから自分も嬉しくなってきてしまう。いや、客に恵まれて良かった良かった。この辺りでまず最初の涙が頬に流れる。
次に来たのがやはり94年発表のブルーズアルバムから「Reconsider Baby」。にっくきアンディ・フェアウェザー・ロウの「すっちゃすっちゃ」というギターカッティングからクラプトンのキーGのソロが始まる。でもオリジナルと違ってフィンガーピッキングは使っていないし、ギターもやっぱりストラトだ。でも滑らかなフレージングは相変わらずで、複音フレーズを交えながら特にクオーターチョーキングの妙はやっぱりこの人のもんだ!って感じ。日本だからってよく手抜きをしたりするこの人だけど、今日は全然そんなことなし。というかブルースになるとやっぱどうしても本気になっちゃうんだろうな。自然と。この2曲ではコーラスの2人は袖に下がって、5人だけのタイトなバンド演奏を聴くことができた。
そしてここからは自分がレビューで扱き下ろした昨年発表のアルバム「ピルグリム」から4連発。まず言っておくと、やっぱクラプトンにはバンドサウンドが似合う!ってことで、なんであのアルバムもこういう風にライヴ感溢れる作りにしなかったのかなあ、などと改めて思ってしまった。なにせアルバムでのしょぼい二流のリズム&ブルース的な感じと趣を全く異にしていて、とにかく曲が活き活きとした表情を持っている。ぜひこのツアーのライヴアルバムを出しなさい、と素直に思います。
そしてそんなピルグリムの曲群からまず「Going Down Slow」だったわけだけれど、この時にはバンドの背後に綺麗な照明が当たってすごく綺麗だった。いやそれよりもこれが「Going Down Slow」だってことは曲の半ばまで気が付かなかった。それだけバンド然とした迫力のある演奏だ。特にスティーヴ・ガットとネイサン・イーストのコンビがいいのであろう。曲半ばのギターソロもオリジナルとは比較にならないほど弾きまくっているぞクラプトンは。(・・・ってこれはいつものことだけど。) 「River Of Tears」でもスローバラードでのクラプトンのフレージングが冴え渡っていて、なんだかWonderful Tonightでも聴いているかのようだ。フィンガービブラートがゆらゆらぐるぐるして気持ちいい。後半のソロはもう独壇場。レースセンサー付ピックアップの能力を最大限に発揮したローーーングトーンで終了。「She's Gone」では逆にイントロからオーヴァードライヴさせたギターが冴えまくって、ソロ的にはまずこの日のハイライト。完全に弾きまくり。White Roomでも演るのかと思った。でもこれを聴いちゃうとオリジナルはかったるくてもう聴けません。(でも今聴いていたりして・・・)
さーて、ネイサン・イーストの後ろにアコースティックベースが置いてあったので大体の見当は付いていたのだけれど、ここにきてセットチェンジ。みなさんお待ちかねのアコースティックセットである。でもステージに残ったのはエリック1人だけで、その彼に手渡されたのはドブロギター。「お、ドブロだ!」という声が周りから挙がる中で、スライドをギューーーンと鳴らすクラプトン。どうやらオープンGチューニングっぽい。一瞬アンプラグド収録の「Walkin' Blues」かと思ったが、「あいがっ、らんぶりーん♪」という声にまず耳を疑う。再び、「あいがっ、らんぶりーん、おーろーんまーまーいん♪」という声を聴いて我に返る。おお!「Ramblin' On My Mind」だ!! 65年にクラプトンが初めてボーカルを取った曲! ろばじょん! それを弾き語りで聴けるとは!!! ほとんどソロらしいソロなしで12フレットあたりのオブリに終始しておしまい。でもすげえ!
しかしもっとすごかったのが次の曲。バンドメンバーがステージに戻ってきて、クラプトンもドブロからマーチンのアコースティックギターに持ち替えてアルペジオ。「ん?」・・・・・「Bell Bottom Blues」だ!! 完全に心中穏やかじゃない俺。 っちゅうか完全に胸が一杯になってしまって涙も出ません。「べるぼーろむぶるーーず、しーめいくすみーくらーい♪」と歌い始めると会場からも大歓声が・・・。そんなにメジャーな曲じゃないけどやっぱみんな知ってるのね、とさらに嬉しくなる。アコギでのソロもオリジナルを意識した感じでこれがまた素晴らしい。
曲の終了に伴った大歓声を縫うかのように「Tears In Heaven」のイントロがさくっと鳴らされる。でもよーく考えてみるとクラプトンはマーチンのアコギを持ったままだ。この曲ってガットギターで弾いてたんだよね?と疑ってはみたものの、ゆったりとしたリズムの中で全部歌ってしまった自分にとっちゃまあどうでもいいや。まあにっくきアンディ・フェアウェザー・ロウはガットギターだったけど、それもどうでもいいってことで、とりあえずこの曲でクラプトンが短いソロを弾いたのにはちょっとびっくりした。ネイサン・イーストがニコニコ嬉しそう。そしてクラプトンもニコニコして嬉しそう。珍しいなこれって。
続いてEをキーにして、ネイサン・イーストとソロのバトルが始まる。でもEのフレーズと来れば、そこそこクラプトンを知っている人なら分かる次の曲・・・・・「Change The World」である。いや、前回の来日公演を観ていないので実はこれが初の生Change The World・・・・略して生チェン。コードカッティングがだんだんとその形を現してきて、10小節も同じコード進行を繰り返した頃にやっと観客から歓声が上がり始めた。でもどうにもにっくきアンディー・フェアウェザー・ロウのギターがやかましいなあ。もっとフィンガーピッキングかなんかで優しく弾いてほしかったな。でもコーラスのケイティーとテッサがニコニコ嬉しそうな微笑を見せてくれたのが救いだったな。
アンプラグドセットが終了して、またエレクトリックセットに戻った。しかしここで個人的にもっとも嬉しかったのは、アコースティックでLaylaを演奏しなかったこと。そしてこのことは後の感動へと繋がるわけだが。
エレクトリックセットに戻ったはいいが、うん? ちょっと待て。なんかおかしいぞ。にっくきアンディー・フェアウェザー・ロウにスポットライトが当たっている。お、なんだアンディー、歌う気か? あ、歌い始めちゃった! それも知らない曲だなあ。 それに頑張りすぎだなあ。 ブルース進行なことは確かなんだけど、ブルースフィーリングが足りないなあ。 でもクラプトンのソロは最高。 なんと言ってもノーマルのストラトでスライドギターを見せたかと思えば、すぐにフィンガーリングしてのソロ、そしてまたスライドに戻って・・・・ってのを繰り返すというなかなかの技。(・・・大したことないかもだけど、クラプトンがそういうことをやってるのは始めて見たから。) クラプトンの素晴らしいソロがあったから、とりあえずこの曲にも合格点を与える。
するとスキンヘッドのネイサン・イーストがあるフレーズを弾き始める。(・・・言葉で説明できないのがもどかしい。) 「あ、Cocaineだ!」と分かる人になら分かるあのフレーズである。そして予想通り2コードでのリフが炸裂する「Cocaine」へ。お約束の1曲である。でもフロアの何人かが踊り始めてそれはちょっとうらやましい。俺は後ろの人が見えなくなるといやだからちょっとそれはできないんだけどね。でもほんと羨ましい。だってアリーナにぽっかり浮かび上がってクラプトンを目の前にして踊れたらそりゃあ気持ちいいでしょう。そしてそんな中踊っていた女性達には敬意を表します。すばらしい。 でも演奏の方はちょっとキーボードの音が大きすぎるような気もした。しかしなにせ自分にはほんとお久しぶりの生コケなのでやっぱり嬉しさが先に立ってかなり感動。最後にはやっぱり「こけいん!」と客に叫ばせてお終い。回を重ねるごとに声が小さくなっているのがちょっと気がかりだが。
またイントロからクラプトンがゆったり弾きまくり始めて、一体なんだろうなあ、と思っていたら、スティーヴ・ガッドのドラムを合図にあのジャジーなコード進行がゆったりと流れ始めて「Old Love」だと気付いた。クラプトンの90年代を代表する最高のスローブルース。いや確かにスリーコードのそれじゃないけど、クラプトンのブルースっていやあこれでしょう。突っ込み気味のソロはやっぱりすばらしい。さっきから「すばらしい」しか言ってないようだけどそれでもやっぱりすばらしい。特に最後の最後のタメにタメたチョーキング連続技にはやっぱり鳥肌だったけど、それとは別に思いっきり笑ったのがキーボーディストのソロ。なんかクラプトンのソロを丸々コピーしたような音色とフレーズ。しっかりとチョーキングの溜め具合まで計算されていて、こんなキーボードソロは聴いたことがない。
「Old Love」ときたから次はこれかなあ、と思っていたらやっぱりその通りにクリーム時代の「Badge」へ。超お約束攻撃に、クラプトン本人も前半ほどは乗り切れていないみたいだけど、エフェクターをがしっと踏み込んでのソロはいつもよりも長かった。(そういやエフェクターと言えば、このライヴを通じてお馴染みクライベイビー=ワウを一度も使わなかった。)「Where is my badge?」と歌うところも健在だったけど、2度目のソロの時、てっきりキーボーディストがソロを弾いているのかと思ったら最後のほうでにっくきアンディーがソロを取っていることが判明した。あまりにもペケペケでよくわからなかったんだよね。
「Badge」とくりゃあやっぱ次はこれかなあ、と思っていたらやっぱりこれでした。「Wonderful Tonight」。にっくきアンディーがボリューム奏法をやっていたのにはちょっとびっくり。後半のケイティーのスキャットはいつ聴いてもやっぱりライヴならではのもので素晴らしいが、テッサの立場はどうしてくれるん?って気もしないわけでもない。
Dのマイナースケールをゆったりと弾き始めて「ひょっとして・・・?」と思っていたら、きたーーーー!!!!!!!! 前方の女性2人組がもんどりうって立ち上がった。それにつられるかのようにアリーナの全ての客が立ち上がった。待ちに待ったエレクトリックバージョンの「Layla」だ!!! 俺はもう感動ってものを通り越して、呆気に取られて、なおかつまさかエレクトリックで演ってくれるとは思ってなくて、頭の中がまっ白になって、しばらくの間席を立つことができなかった。そしてやっと腰を上げてLaylaを歌うクラプトンを目の中に捕えたのは最初のコーラスに差し掛かった頃。やっと聴けたよエレクトリックの、本家本物のLaylaを! もう最近のクラプトンを見ていると、アンプラグドで味を占めたかのようにかったるいアコースティックのLaylaばっかり演りやがって、もうこっちとしてはイライラしっぱなしだったから感動もひとしおだ。正直言って、今日アコースティックでLaylaを演奏したら、もうクラプトンのライヴは観に来ないつもりでいた。だから今夜のアコースティックセットでLaylaを演奏しなかったのには心底ほっとしたのである。6年前に聴いたLaylaもエレクトリックバージョンだったけど、今日のはそれを何倍も上回るほど感動した。それにあの「ちゃららららー♪」というリフも思いっきり突っ込み気味に弾いてくれて、こりゃあ気合入ってるなーって感じで、やっぱクラプトンのファンで良かったーと思った。ロックだロック。もう何も思い残すことなく2000年を迎えられるよ。もう聴けないと思っていたLayla後半部分も情感たっぷりに演奏してくれて、もうこれ以上のことはないっす。
ああ、これで十分、と思っていたら、思いっきりディストーション&フィードバックさせてジャガジャガ弾き始めて客を煽りまくって、「Sunshine Of Your Love」へ。これも久しぶりだー! 約10年ぶりに聴いたー。 それもいつもとはちょっと違うリフの弾き方なんかも見せてくれて、曲中のソロではクリームのオリジナルバージョンみたいな弾き方をして、エリック、アンディー、ネイサンの3人でボーカルを取って、そして最後のAコードがじゃかじゃか続くとこではもう思いっきりソロをぶちかましてくれて、なおかつガシガシ踊れて、もう嬉しいったらありゃしねえってえの。
そしてここでおしまい。でも観客の拍手は鳴り止まない。どかどか足も踏み鳴らしてはっきり言ってうるさい。もうコンサート開始からすでに2時間が経ってるのに、まだまだ観たい、まだまだ聴きたい、そんな感じ。そしてそれに応えるかのように(・・・・ってお約束だけど。)、アンコールのためにメンバーはステージに戻ってきてくれた。
Eをキーにしたソロ。うーーーん、なんだ? と思っていたら、お馴染みのクォーターチョーキングを交えたイントロへと移って、なるほどなるほどの「Before You Accuse Me」。客はオールスタンディングのまんま。いや、ほんとにほんとのオールスタンディングの会場でこのライヴを観られたら最高だよなあ、と思ってしまった。シャッフルビートが気持ちよくって、全部歌いまくって、そんで踊れて、このままずーーっとオールナイトでライヴが続いたらなあ、って思っていたら客電が点いてとうとうこのライヴもお終い。 でも来年55歳のおっさんが2時間10分ものライヴをやっちゃって、ちょっとは今の若いのも見習わなきゃなんないよ、とほんと心の底から思ってしまったよ。
「クラプトンは初日に限る」と言ったが、やっぱりそれは間違っていなかった。でももう1回観たい!と思わせるのもやっぱりクラプトンのコンサート。これも実は再確認。よかった29日のチケットも取っておいて。今度はダレるなクラプトン! 俺も気合入れ直して行くからさ。
こんなに長く書いちゃってほんとすいません。でも読んでくれてありがとう。 ちなみにエレクトリックセットでクラプトンが使用したギターはすべて黒のストラトでございました。
- 11/9/99 -
- My Father's Eyes
- Hoochie Coochie Man
- Reconsider Baby
- Going Down Slow
- River Of Tears
- Pilgrim
- She's Gone
- Ramblin' On My Mind
- Bell Bottom Blues
- Tears In Heaven
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- Cocaine
- Old Love
- Badge
- Wonderful Tonight
- Layla
- Sunshine Of Your Love
- Before You Accuse Me
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前言撤回。 クラプトンは初日じゃなくても調子のいい日がある、ってことで。
「1階北東H列・・・」というチケット座席を見て、やばいなあ、とは思っていたのだけれど、やっぱりその悪い予感的中だった。ステージ横、というかステージ後ろと言ってもいいこの座席。 よってアリーナ席の客の顔は丸見えなもんで、思わず芸能人がいないかどうか一人一人チェックしちゃったよ。 でも、お陰でギターテクニシャンが開演に向けてクラプトンのギターを一本づつ丹念にチューニングしているのが見えたりしてそれなりに楽しかったりもした。
メンバーがステージに登場。正確に言えば自分のケツの下の方から登場。お、近い! 思いがけず近い! いきなりこっちに向かって手を振るエリック。 ドキっとしたぞ、緊張したぞ。 アリーナ席に向かって礼をして、やっぱりアルペジオを交えたソロからドラムのスティーヴ・ガッドのカウントを合図にして、「My Father's Eyes」へ。 うーーーん、やっぱりメンバーの背中しか見えないけど、とりあえずクラプトンの左手は見えるんでオッケー。 っていうかこんなアングルでなかなかライヴは観られないぞー、と心を切り替える。とりあえずオールスタンディングの会場では絶対に無理でしょう。
そんでもって前回は気が付かなかったこと、それはクラプトン以外のメンバーはすべて黒ずくめの衣装であるということ。ドラムのスティーヴ・ガッドなんて、誰も見えもしないのに、靴までしっかり黒である。
それからギターに目を奪われて誰も気がついてないと思うけど、クラプトンのマイクの位置。 まるでオアシスのリアムのそれである。 マイクの高さがだいたいクラプトンの額のあたりにあって、それを彼は応援団みたいに顔を上向きにして歌うのであった。
それからクラプトンの足元。マルチエフェクター(・・・とは言ってもボリュームペダルぐらいな感じだけど。)の右横に一応ワウペダルがあったりする。でも結局使わなかったな、今回のライヴでは。(・・・がちょっとホワイト・ルームなんても期待してみたりもした。)
しかしかししかし! もう1曲目で分かっちゃった。今日のクラプトンが絶好調だってことを。とにかくソロが長い長い! そしてそのソロもクラプトンが投げやりな時に見せるいわゆる手癖フレーズのオンパレードってわけじゃなくて、「こんなフレーズ聴いたこと無いなあ」という組み立てのものばかりなのである。 チョーキングなんぞ、力が入りすぎて、2音ぐらいすぐに上がっちゃうし。
そしてセットリストもいきなり違う! 2曲目は「フーチー・クーチー・マン」だったはずなのに、「こんちわー。ピルグリムってアルバムからプレイするんだけど、今のはマイファーザーズアイズって曲で、次のはピルグリム。」って具合に全然違う「ピルグリム」。それもイントロをいきなりトチるナウなおまけ付き。でも普通のクラプトンだったら笑ってごまかすところを今日は真剣。そしてソロがすごいんだまた! 顔もイっちゃってるし、そんでもっていきなり笑顔を見せてベースのネーサン・イーストとニヤついてるし。
3曲目も「次のはリヴァー・オヴ・ティアーズ」って紹介して、イントロが始まる歓声が挙がって、クラプトン律儀にもちょっと会釈。そしてこれがまたソロがすごいんだ! 初日に観たときよりも全然長いよ! エンディングでも弾きまくってメンバーへらへら笑ってるし。
次の曲でもしっかりとタイトルを紹介して、アルバム「ピルグリム」からの5連発のシメとなった「シーズ・ゴーン」に入る前のソロもこれまたすごかった! 1〜2分は弾きまくっていたなあ。 マイルドにディストーションしたギターの音色が気持ちよくって、ステージに吸い込まれそうな、そんな気分になった。 、
ってな具合に過去の曲をひとつもやらずにアコースティックセットへ。赤色の椅子がステージにセッティングされたけれども、残ったのはクラプトンただ独り。日本人スタッフがマイクをセッティングして、目の前にあった透明のスライドバーをさくっと小指にはめたと思えば、これがまた前回とはまったく違うソロから、「あいがーらんぶりーん♪ あいがーらんぶりんおーろんままーいん♪」とな。 後ろから観ているもんだから思いっきり自分が弾いているようなそんな錯覚も覚えるほどで、スライドバーが弦に触れる瞬間を、よりダイレクトに体で捕えることができる。 絶好調クラプトンが左足を高く踏み鳴らすその音に合わせて会場からも手拍子が起こる・・・・・とよく見てみれば実はスティーヴ・ガッドがドラムセットにちょこんと座っていて、みんなに手拍子を要求しているのであった。
ギターを持ち替えて、メンバーがまた勢ぞろいして、「ティアーズ・イン・ヘヴン」へ。 これまた前回とは違う流れ。 もう完全に呆気にとられた。
そしてクラプトンによるキーEのソロが始まって、「ははーん、チェンジ・ザ・ワールドかぁ。」と思っていたら、全然違うシャッフルビートへなだれ込んだ。きやーーー! 「ビフォー・ユー・アキューズ・ミー」だぁ!!! 初日にはアンコールで、それもエレクトリックセットで演っていたこの曲を、今日はアコースティックセットのど真ん中に持ってくるとは! もう、「マジかよおい。ほんとマジかよ〜。」ってな言葉しか出てこなくて、前の席の人に睨まれた。 アンプラグドなんて問題にならないぐらいにかっちょいいバージョンで、スティーブ・ガッドもブラシを持ってのドラミングで、いやあ、やっぱ今日来てよかった。
そんでもってそのまま「ベル・ボトム・ブルース」へ。驚いたのはこれまた初日とは全然違うソロを披露していて、やっぱこうなると同じ公演中に何回も観に来ちゃうよなあ、と思ってしまった。
アコースティックセット最後になったのはやっぱり「チェンジ・ザ・ワールド」で、初日に観た時には結構荒っぽくカッティングしているなあ、と思ったのだけれど、こう改めて近くでじっくり観ると、かなり繊細に弦をはじいていて、それが新たな発見となった。なおかつエンディングのところでもソロを弾きまくってなかなか演奏が終わらなかった。
次のアンディ某の曲は、まあいいや。思いっきりトイレタイムになっていてざまあ見ろ。ちなみにこの日のクラプトンはこの曲で椅子に座ってギターを弾いていた。でも気が付いたのが、今夜はスライドギターでしかソロをとらなかったことと、そのスライドバーは、「ランブリン・オン・マイ・マインド」で使ったものとは別に用意したスライドバーを使用していた、ということも分かってしまった(・・・思いっきり細かいことですいません。) 曲の途中で椅子から立ち上がり、ソロを弾いて、また椅子に座る、という荒業も披露。 ちなみにこの曲で、アンディ某はピックを落とした。
「コカイン」の時も、前回とは全然違うアレンジで、イントロで思いっきりファンクっぽいカッティングを続けた後、例のギターリフに入る、といった新しい展開を見せた。というかこの曲に関しては今までも結構クラプトンの思うがままにアレンジされていて、昔のツアーでもこういったことはよくあった。最後の「こけいーん!」と声を合わせるところも、初日よりも全然声が大きいような気がしたし、ここでスタンディングになった人もかなり多かった。
「ワンダフル・トゥナイト」はいつもとあまり変わらない感じ。結構、ギターをガシガシコードストロークしていたところがちょっと目新しかった。
さっくり始まった「バッジ」もそんなに目立った感じはなかったかな。 自分はこの曲、ものすごく好きなんだけれど、最近ちょっと食傷ぎみ。でもクラプトンのソロはちょこっと長かったような。気のせいか?
・・・とこういったお約束ナンバーに関してはちょっと事務的に報告しているような感じもするが、いや、当のクラプトンの方も見た目明らかにノってなくて、「なら、別に演らなくてもいいのに。」と思ってしまうんだけれど、やっぱそれではまずいのか?
ちらっと噂に聞いていた「ハヴ・ユー・エヴァー・ラヴド・ア・ウーマン」っぽいイントロがクラプトンのギターから紡ぎだされて、「あ、やっぱりやるんだあ。」と思っていたところ、かなり長いソロを経てクラプトンのマイクから出てきた声は、「こーりーらすとーみーまーんでー♪」と来たもんだ。 思いっきりずっこけた後、いや、待て。タイトルの呼び方は色々あるが、とりあえずこの表記でいくと、これはあのスローブルースの定番「ストーミー・マンデー」ではないか! この曲をクラプトンがライヴで演っているのは聴いたことがないぞ! 嬉しすぎる。嬉しすぎる。 なんか後光が射している。 「クラプトン最後のツアー」などと言う人もいるが、なんかそんな気もしないでもない、かなり鬼気迫る演奏だ。 前述のお約束ソングとの差は歴然。 気合が違いすぎる。 考えてみれば今日は月曜日だ。天気は良かったけど。
Dmコードから今まで聴いたことのないようなソロをぶちかますクラプトン。こんなプレイも出来るんだあ、と思いながら、ベースのネーサン・イーストはギターテクニシャンとじゃれあって(いるように見えただけだが。)ステージに戻ってこない。その間、クラプトンはずっとソロを引き続けて、そしてエレクトリックなオリジナル「いとしのレイラ」へ。他の客は総立ちになったけど、自分は前回ほどの感動は襲って来なかったので、痛いケツを我慢するかのように座ったまま。クラプトンのソロはラン奏法を中心にしていたけど、今まであんまり聴いたことのないようなフレーズが飛び出してきたもんだから、こっちとしてもかなり集中。 でもピアニストがちょっと下手くそ。いや、下手、というよりも「いとしのレイラ」には合ってない感じ。
「ありゃ?」と思ったら、これでおしまい。ステージを降りるクラプトンがまたこっちに向かって手を振って思いっきりドッキリ。 アンコールには、いわゆる特製ピックアップをブーストさせたギターのフィードバック音がしばし続いた後の「サンシャイン・オヴ・ユア・ラヴ」を持ってきた。正直なところこれは、ネイサン・イースト+スティーヴ・ガッド+クラプトンの3人でプレイしてほしいなあ、なんても思ったのだけれど、アウトロのところではまるで「クロスロード」を聴いているようで、まあ悪くはなかった。ネイサン・イーストもこっちの方を向いてニコニコしてくれたし。でもここまで来たらもうちょっと意外性のある曲を聴いてみたかったなあ、ってのはかなりの贅沢???
いやあ、初日よりも2曲少なくて若干早く終演を迎えたけれど、でも、とにもかくにも素晴らしかった。後ろのほうから観ていたお陰で、なんか「この5人のメンバーだけでこれだけの音を作っていて、1万人以上の人間を一辺に感動させてるんだあ」といったプリミティヴな感動もあったりして、色々新たな発見もあって楽しかった。横に座っていたのが3歳ぐらいの女の子で、これもまた可愛くってかなり心が和んだりした。クラプトンが同じツアーでセットリストを変えるというのは、ほんと近年では稀なことだ。そしてそれがネガティヴな意味ではなく、ポジティヴな方向性でリストの変更が成されていたことが、なおのこと素晴らしく感じた。変にコンテンポラリーなニューアルバム「ピルグリム」を聴いて、「ギタリストとしての、ロックボーカリストとしてのクラプトンは終わっちゃったのかなあ。」と寂しく思っていたからなおのことだった。
もう一回観たいなちくしょー。
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