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小雨降る海浜幕張の駅に着き、メッセ方面に歩いていくが、それと見える人はほとんどおらず、ダフ屋もいないし、案内のバイトもいないので、「MRO、中止?!」と本気で思ってしまったのだけれど、サマソニと同じ1〜2号館の方に向かっていたのが間違いの理由。MROは、別棟にある9号館のほうでやっていたのであった。
● FUNERAL FOR A FRIEND
クロークにアウターだけ預けて場内に入ったが、明らかに去年よりも人が多い。ライヴステージの方ではレコードではいまいちピンとこなかったフューネラル・フォー・ア・フレンドがプレイ中。ちょっと斜に構えて彼らの演奏を聴いていたけど、レコードほどは悪くなかった。「次に登場するのはディスティラーズ・・・。」「NO−! ケーン!」「お、ケン! 次はハイ・スタンダードのケンだ! ハイ・スタンダードはいいバンドだよね。」と言って最後の方の曲をプレイして、ライヴは終わった。イギリスでの盛り上がりそのままにひたすらエモーショナルに突っ走っていた感じだった。
● THE DISTILLERS
ケンヨコヤマはスルーしてその次のディスティラーズへ。言うまでもなく、ランシドのメンバーの元カノであり、クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジのメンバーの今カノであるブロディ率いるこのUSパンクバンド。レコードも持っていて、結構期待してたんだけど、ライヴが始まってから、自分があまりにもレコードを聴いていなかったことに気がついた・・・。
ぷっくりしたお腹がやたらとエロいブロディを見るために、右行ったり、左行ったり、前行ったり、後ろ行ったり・・・。プライマル・スクリームのボビーがこのバンドの信望者だということを知ってか知らずか、ブロディ:「13th エレベーターズって知ってる?」 客:「(しーん)」 ブロディ:「You should know The 13th Elevators!」といった後で、ギターなしで彼らの曲を歌ったブロディ。
そのブロディ含めて全体的に良からず悪からずの及第点だったので、バンドのパフォーマンスとしては個人的にちょっと期待はずれの感もなきにしもあらず。 もっと八方破れなところも見てみたかったな。
● IGGY & THE STOOGES
かなり閑散としていたフロアにどっと人が押し寄せてきて、ストゥージズのショーがスタート。客電が落ちるやいなやステージ背後で光り始めた「Stooges」という電飾がメチャメチャ綺麗でクール。
彼らの音自体は、ファーストアルバムとイギーのベスト盤ぐらいでしか知らないので、全ての曲が分かるわけではないんだけど、アタマっから「ダウン・イン・ザ・ストリート」「1969」「アイ・ウォナ・ビー・ユア・ドッグ」と来られた日にはやっぱり盛り上がらざるを得ない。豊洲や苗場にも連れてきていたイギーのバックバンドと違って、特にギターの音色が超極悪! 普通のテレキャス+マーシャルという組み合わせなのにどうやったらあんなに極悪な音色が出せるのかまったくもって不思議。「アイ・ウォント・ビー・ユア・ドッグ」は鳥肌立ちまくりで、逆に健康的にすら映るイギー・ポップとは対照的なおっちゃんギタリストの極悪リフに目と耳は完全に釘付け。
反対サイドに目を移して、よくよく目を凝らして見てみると、そこにいたのはあのマイク・ワットだった。このベーシストは非オリジナルメンバーだけれど、「あー、やっぱりバンドに入ったんだ!」という嬉しい驚きに包まれたのは、このマイクさんには、J・マスシスのライヴの時に一度バックステージでお会いしたことがあったから。(J・マスシス+ザ・フォッグライヴレポ参照。) 新しいデジカメを買って嬉々としていたあのマイク・ワット氏がイギーの横に立っているのを見ているだけでこっちも幸せな気持ちになってくる。なにせ彼はカリスマバンド「ミニットメン」のメンバーでありながら突然全身不随の重い病気にかかり再起不能とまで言われた時期もあったほどの苦労人であり、Jのライヴの時にも自らボーカルを取ってストゥージズのカバーなんかもプレイしていたぐらいだったから、ここにこうしてストゥージズのメンバーとしてステージに上がれるのは本当に幸せなことなんだろう。以前見たときよりもさらに痩せたみたいだったけど、右手をブイブイ唸らせながら、ストゥージズの名曲をプレイする彼の姿はひたすら感動的だった。
そしてボーカルのイギー御大は、登れるものにはすべてよじ登って客を煽り、上がりたい客はすべてステージに上がらせて歓迎し、やるべき曲はすべて歌いきった。豊洲でも苗場でも観ることのできたイギーそのまんまで、それ自体は大して驚きもしなかったけど、ソロでやっている彼よりも、ストゥージズとしてやっている彼の方が、単純にかっこいいな、と思ったのは自分だけではないだろう。「サーチ&ディストロイ」も「ラスト・フォー・ライフ」もないイギーのライブってのもそんなに悪くない。
アンコールのラストは「またかよ!」と思った人も少なくないであろう「アイ・ウォント・ビー・ユア・ドッグ」で、再びあの極悪ギターリフを聞けたのはよかったけど、まぁ2回やらなくてもよかったかな、と思ったのが正直なところでもありまして。
● PRIMAL SCREAM
終電の時間はとっくに過ぎ、ようやくこれからが本当のMROモードに突入する、その先陣を切ったのがプライマル・スクリームだった。「あぁ、そういや去年のフジロックの後にストーンズのオープニングアクトも何回かやったんだよなぁ・・・。」という目で見るとやたらビッグになったような気がしてしまったのはきっと自分だけだろう。よくよく考えてみれば、そんな大したファンでもないのに、かれこれもう8回目なんだ、プライマル・スクリームのライヴを観るのは。
背後に立っていた4本の電飾柱(?)が結構きれいで、ちょっと夜のヒットスタジオみたいだったけど、ライヴ自体も結構よかった。「トーキョーは"Sick City"だ。」といっていたマニも、時々しゃがみこんでいたボビーも、そんなに元気そうには見えなかったけど、その「シック・シティ」を含めて、序盤は今のところの最新アルバムからロックンロールをいくつかプレイし、時代を遡るかのように「エクスターミネーター」「ヴァニッシング・ポイント」の曲を連打していく。もうやらなくってもいいだろう、と個人的に思っている「ロックス」もやっぱりプレイされてしまったが、全体的にお客さんの密集度も低くかなり緩いなので、まぁそれでもいいか、って感じ。
プライマルズロックンロールの完成形=「メディケーション」が来て個人的には嬉しかったアンコールにはフジでもプレイされた「ジェイルバード」も来た。なので今年のMROの趣旨=「ロックンロール」に相応しいフィナーレになり、すべてうまく収まった。
● SOUTH - JUDE - MANI (DJ)
メシなど色々食いながら、閑散としていたサウスをかなり前の方でチョットだけ見て、その後またマッタリして、JUDEを前の方で全部を観た。あのブランキー・ジェット・シティーでフジロックのトリを飾っていた頃のベンジーと較べると、今のこの位置、この聴衆、この音、というのはなんか複雑な想いにさせられるのは仕方がないところだけど、そうはいってもステージにいるのはあのベンジーなので、パフォーマンス自体そんなに悪いものになるはずはなかった。なんだかんだでBJC以降の彼のフジのステージはすべて観ているんだった、自分は。
その後さらに閑散したフロアにプライマル・スクリームのマニがDJとして登場。ローゼズ時代のカリスマティックな佇まいは微塵も感じられないけど、プレイ前からオーディエンスとコミュニケーションを取ったりしてすでに出来上がっている模様。
前半は知らない曲ばかりで面白くなかったんだけど、ローゼズの「セカンド・カミング」のアルバムジャケをチラチラさせていた後半部分から結構面白くなってきて、ピストルズ、ジャクソン5、ハピマン、デヴィッドボウイ、ローゼズあたりがかかったので、個人的にも結構盛り上がった。最後の方にはボビーを除くバンドメンバーもステージに上がってヨレヨレユラユラしていた。
マニがステージを去って、すべてが終わったが朝の7時。終盤にはカクテルまでビールの器に注いでいた出血大サービスの屋台群が撤収作業を初める会場を離れ、まぶしい朝日と、嬉々として走っていく小学生の群れと交差しながら、また日常へと戻っていった。
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