続いて「It's Only R&R」。キースが持っているのは赤いES系のギターだ。Rock n' Roll系の曲はほとんどこのギターを使っているようである。鳴りも非常にいい。キースのコートにもすごくマッチしている。Voodoo Lounge Tourの時のようなベース、キーボード抜きの間奏も聴かれて、キースのギターが更に強調されているような感じだ。
続いてブギっぽいピアノの音が流れてきた。後ろの客がすかさず「Let's Spend the Night Together!」と叫んだ。おお! 初めて聞く「夜をぶっとばせ」だ!(笑) キースのギターは驚いたことに5弦ギターである。それで「Still Life」の「Let's Spend」のようなリフを刻んでいる。非常にオリジナルに近いアレンジで、この曲から登場したコーラス隊も大活躍。新加入のコーラスの1人、ブロンディ・チャップマンの顔がスクリーンに大写しになり、一瞬そのWeirdな顔に圧倒されてしまう。しかし、スクリーンの映りが非常にきれいだ。ステージ上のメンバーの動きもよく見えるのだが、どうしてもその巨大スクリーンに目が行ってしまう。
ニューアルバムから「Flip the Switch」。テンポは若干オリジナルよりスローな感じ。キースのギターは再び白いピックガードのついたテレキャス。やっぱイントロはああ弾くんだあ、などとちょっとお勉強しているうちにあっという間に終了。客はここでちょっと一服といった感じ。続いて「Gimme Shelter」のイントロが聞こえてきた。キースの赤ギターから怪しげなリフが響き渡り、コーラスのリサ・フィッシャーの声がその怪しいムードをさらに駆り立てる。テンポは限りなくオリジナルに近い感じ。キースとロニーのソロがゆったりとしたタメを作っていて、こっちをのけぞらせてくれる。
ミックが「howdy」といってひとつ笑わせた後、「Anybody Seen My Baby?」のベースラインが鳴り始めた。オリジナルはダリル・ジョーンズのものではないが、ここで聴ける彼のベースもなかなかいい。しかし問題はミックで、オクターヴを上に行ったり下に行ったり。モロにLove Is Strong状態に陥っている。キースは相変わらずガーンとやっているが、そのメインのベースラインをきれいになぞることもあった。ロニーはまだおとなし目の感じである。ラップの部分はミックとコーラスのバーナード・ファウラーの2人で取り、途中にテキサスの名前が入ると、会場から歓声が上がった。でもオリジナルの方がいいな、この部分は。
次は「Bitch」だ。「This is called Bitch」と紹介した時の皆の反応は薄い。この曲ではホーン隊が活躍。Steel Wheels Tourの時のそれよりも格段とR&Rしていて、サックスの音も邪険に聞こえない。続いてニューアルバムから「Out Of Control」だ。客はぼちぼちと座り始める。Voodoo Lounge Tourの「Sparks Will Fly」を思わせるライティングに、若干盛り上がりを取り戻す。ロニーはワウペダルを踏みながらのカッティングだ。この曲の後半でのミックのダンスは素晴らしかった、というかミックらしかった。