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Gig Report
VANDALS - 寒かったけど熱かった -
Studio Coast - 2004/01/11

- PREVIEW -
 
現代パンクバンドの見本市=Warped Tourが日本にやってくる!! ・・・と意気込んでいたわけではまったくなくて、三連休に何もすることがないし、せっかく初めてのフェスなので参加してみるのも悪くないし、ひょっとして思いがけないバンドと出会えるかもしれないし、チケット売れてないみたいだから結構快適かもしれないし、ぐらいの気持ちで当日券目当てで参戦を決めたのであった。

会場のスタジオコーストに行くのも初めてだ。フジロック'98が開かれた豊洲からも程近い新木場駅から徒歩数分の湾岸沿いに建てられたこのライヴハウスも早いうちに体験してみたかった。このWarped Tourでは、場内にある大小2つのステージと、屋外に設営されたテントステージを使うとのことだ。(それぞれ「ステージA」「ステージB」「ステージM」などと呼ばれていたけど、以下ここでは便宜的にそれぞれのステージを「Main Stage」「Tent Stage」などと表記することにする。)

前日にスケジュールをチェックし、タイムテーブルをコピーして持参したが、フジ&サマソニのようなタイムテーブル表が各人に配られることはなかったので、観たいバンドを能率的にチェックするためにはこの前準備が大当たり。しかし出演バンドに関してはほとんど予備知識がなかったので、全く曲名が出てこないライヴレポートになってしまったけど・・・。
 
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- GIG REPORT -
 
会場に着いたのは、開演予定時間きっかりの午後1時だった。さすがにキャパは大きくないので、当日券をゲットした後、普通のライヴハウス同様にスムーズに会場入りすることができた。だけど浜風が冷たい上にそんなに暴れるつもりもなかったので、着ていたアウターをロッカーに入れることはなかった。

会場入りするやいなや、屋内のメインステージを素通りしていきなり屋外のテントステージへ・・・。


(START - 13:00)

● 惑星 (Tent Stage: 観戦30分間)

ダットサンズのオープニングアクトとして観て以来約1年振りの再会。あの時はメインのダットサンズ以上にタイトなロックンロールを聞かせてくれたのですごく期待していたんだけど、やっぱり彼らのライヴはよかった! それこそ原宿アストロホールの半分ぐらいしかなさそうな野外のテントにお客さんはかなりまばらだったけれども、加山雄三張りの黒のモズライトから繰り出すゴリゴリとしたシンプルなギターリフは自分のツボに入りまくりの揺らしまくり。よく見ればギター&ボーカルは俳優の大沢たかおにも似てないことないイイ男。(・・・実は本当に俳優としても活動していたらしい。)ピンクのノースリーブがかなり浮き気味の紅一点女性ドラマーもいい感じ。スリーピースなので中心にいるドラマーに華があるのはやっぱりいいなぁ。

途中でハウリングした直後にボーカルマイクの調子が悪くなるとすかさずベーシストと場所を左右に入れ替えてショーを続行。半端なく音がでかかったので何を言っているかさっぱりだったんだけど、音の雰囲気的には今日出た海外のどのバンドとも違う、ブリティッシュロックのような骨太のグルーヴでグイグイ攻めまくっていたように聞こえた。

ライヴ後、ドラムの女性が何事もなかったようにお客さんのいる通路をフラフラ歩きながら帰路についていたのが笑えた。


● ERSKIN (Tent Stage: 観戦20分間)

ふらふらとインドアの方を散策した後、東京湾からの寒風が吹き荒れる中、再度外のテントステージの方に移動。しかしサマソニなんかとは違って、メインとサブの移動がモノの数十秒しかかからないところが嬉しい。

テントに入るとまだまだお客さんはまばらだったんだけど、「これからお客さんがまだまだいらっしゃいますので、前に詰めてください〜。」というアナウンスはロックコンサートでアリなのか・・・・? セットチェンジ半ばという感じだったけど、なんかやたらとドラムがうまいなぁ〜、と思ったらやっぱりメンバーが直接出てきて機材チェックを行っていた。

前日にプロフィールをチェックしておかなければきっと見ようともしなかったであろうバンドがこのErskin。実はBack Drop BombとScafull KingとSmorgasのメンバー等から成るスーパーユニットなのだ、Erskinは。

DJのスクラッチプレイからショーはスタート。そしておもむろにツインベースによるファンクナンバーがプレイされたかと思えば、アコースティックギターとアップライトベースとを絡めたスローなナンバーもあったりして、今日の「パンク」なメンツからするとかなり異色な音構成。よってお客さんは次から次へと減っていく。自分もがんばって見ていたけれども、4曲目が終わったところでギブアップ。フジロックのフィールド・オブ・ヘブンでならもっと聴かせられるでしょう、きっと。


● AUDIO KARATE (Main Stage: 観戦25分間)

約2400人収容という横長のメインフロアで最初に見たバンドがこのAudio Karateだった。テント内のステージ音がかなり大きかった反動でかなりスカスカに聞こえてしまうこのメインステージ及びAudio Karateの音だったけど、どちらかというと縦よりも横にでかい体を揺すりながらプレイされるメロコアはそんなに悪くなかった。メインステージに上がったバンドすべてに共通することだけど、ドラムの人が特にうまかった。メンバー4人はかなり若そうに見えたけど、きっとマジメないい人達なんだろうな。

しっかしZepp Tokyoをさらに一回り大きくしたようなメインステージのお客さんの入りは寂しいなぁ。フロア後方が数段高くなっていて、そこからだとステージ&フロアが一望できるのが結構気持ちいいんだけど、左右に設けられた丸テーブル&椅子もちょっと余り気味だったな。


● SLICK SHOES (Tent Stage: 観戦35分間)

外に出て再度テントステージの方に舞い戻る。ステージ上で戯れているメンバー達の様子を見ながら開演時間を待っていたら、フロアから「Who are you guys? Slick Shoes?」という声が上がってメンバーの1人は苦笑い。しかしその声に反してフロアは開演前から一杯一杯。さすが小さいテントだけあって、ちょっとでも人気のあるバンドがステージに上がるとフロアは満杯になってしまう。

ショーがスタートすると、いよいよモッシュ大会が始まった。まぁそんなに楽ではなかったけど、それでもやっぱアメリカで見たモッシュに較べると全然楽だなぁ、などと考えながらあっち揺れこっち揺れしていた。あっちの人達は、本気で突き飛ばすし、本気で体当たりするから。

でもすべて黒尽くめの衣装(?)でキメた5人組みのSlick Shoesはかっこよかったなぁ。ボーカル含めた4人のメンバーがフロントにいるんだけど、暴れまくるすべてのメンバー達にとって、はっきり言ってステージが狭すぎ。彼らこそメインステージの方に出るべきバンドだったよなぁと思う。「コニチハ。アリガート。うちら完璧に日本語話せるんだけど、話せない振りしているだけなんだぜ。」とか言ってる場合じゃないっての。


● POISON THE WELL (Main Stage: 観戦20分間)

再度暖かいインドアステージに移動。その時ステージ上でドッカンドッカン暴れまくっていたのがPoison The Well。相変わらずフロアはスカスカなので、ほぼ最前列で見ていたけど、BPMはゆっくり目でどちらかというと情緒に訴えてくる感じ(?)。

でも実は余り記憶に残らなかった・・・。


● LOCAL ART (MTV Stage: 観戦10分間)

テントステージの横には台湾ラーメンとガーナ料理のお店が出ていたのでビーフステーキライスなるものを食しつつ、その横にあるスケボー&マウンテンバイクリンク(?)にて華麗な(?)ショーをちょっとだけ楽しみつつ、これまた別フロアになっていたMTV Stageなるところに入ってみた。小さい場末のライヴハウスぐらいしかないそのスペースでは、Local Artなる日本のバンドがプレイ中だった。奥にいるはずのドラマーの姿が見えないなぁと思っていたら、奥にいたのはベーシストで、ドラムはステージ最前にセットされていた。なんかToolみたいだなぁなどとちょっとだけ思ったが、曲調は青春パンクで、そのドラマーが自らボーカルも兼ねるという、いわば「ロマンチックは止まらない」スタイルのバンド編成だった。ドラムがボーカルを取っているお陰で他のプレイヤーの自由度が増しているせいなのか、左右にいるギタリストは、重めのギブソンを抱えながら、これでもか!と言わんばかりに弾けまくっていた。


● ANDREW W.K. (Main Stage: 観戦40分間)

さて、いよいよアンドリューである。これまで何度も来日しているけれど、今回が初アンドリュー体験となるワタシが、唯一予習してきたアーティストでもある。(・・・ファーストアルバムだけだけど。)しかし飛ぶ鳥落とす勢いのアンドリューといえども、フロアを満杯にするのは不可能で、後方2/3はスカスカな状態だ。

「プリーズウェルカム!アンドリューダブリューケー!」というアナウンスに促されてステージに現われた兄貴はやっぱり白尽くめの衣装(?)だった。メタルなバンドメンバーとの対比が面白いが、いきなりキーボードを叩きまくるっていうのもなんか笑えた。今日のショーが20回目のアンドリュー体験になるというファンの子の名前を呼びながら、「彼女は3つの大陸、4つの国でオレのショーを見たんだ! すげぇだろ!」と吼えたりもしていた。ステージにお客さんを上げて揉みくちゃにされたりもしていた。ペットボトルの水も撒きまくっていた。

だけど、彼のすべての曲が同じに聞こえてしまう自分は、いくら煽られようとも、アンドリューのステージにのめりこむことは出来なかった。ライヴを見たら自分の中で何か変わるかな、と思っていたんだけど、やっぱり苦手なものは苦手ならしい。


● BOUNCING SOULS (Main Stage: 観戦25分間)

テントステージでNicotineを見ようと思ったのだが、すでフロアは満杯で、場内に入れるような感じではなかったのであっさり断念。なので引き続きメインステージに居座ることに。

ギター&ベース&ドラムの3人がステージに登場し、ボーカルはどうしたのかなぁ・・・と思っていたら、彼は目の前にいた。ボーカリストのみいきなりフロア最前列前のセキュリティエリアから登場し、最前列のお客さんとハイタッチしながらステージに上がった。

アメリカのパンク界ではすでに中堅どころともいえるBouncing Soulsだけれど、アンドリュー後のフロアはやっぱりちょっと寂しい感じ。でも個人的にはアンドリューよりも全然良くって、ちょっと内股気味のボーカリストのボーカリゼーションに引き込まれるし、半端なくうまいドラミングには舌を巻いたし、ベーシストはクラッシュみたいでかっこ良かった。 描写らしい描写になってないけど、とにかく良かったものは良かった。


● USELESS ID (Tent Stage: 観戦25分間)

そんなBouncing Soulsに後ろ髪引かれる思いで途中退場し、Useless IDを見るためにテントステージの方に再々々々々々々移動。しかしすでにテントは一杯だったのだけれど、寒風で背中を冷やしながら最後列にてどうにか観戦可能状態に・・・。

イスラエル出身のメロコア4人組バンドだが、さすが人気があるだけあってステージングがうまいうまい。分かりやすい英語と若干の日本語とを交えながら、飽きる隙間もない淀みない構成がなされている。ステージ横にいた変なおっさんがやたらノリノリだなぁと思っていたら、最後の最後に彼が出てきてベースを弾かされていた。

やっぱこのバンドもメインステージに出るべきだったよな。初見のバンドの中では群を抜いて一番のバンドだった。


● THURSDAY (Main Stage: 観戦40分間)

日もとっぷりと暮れ、外は極寒になってしまった。なので歩っている人もいないぞ。勇気を振り絞って外に出ているのは台湾ラーメンを食っている人だけだ。オレもひとつ食ったけど。(うまかったけど。)

再々々々々々々度メインステージに移動。フロア左側ではBouncing Soulsのサイン会が行われていた。サマソニみたいにちゃんとセッティングされている感じではなくて、フェンス越しにただなんとなくサインをしたり会話したりしているのが良かった。

そしてほぼ最前列でThursdayを観る。ツインギターの5人組バンドだが、向かって左側のギタリストがかなりかっこいい。持っているギブソンのワインレッドのギターもかっこいいし、スレンダーなそのスタイルもかっこいいし、表情が見えないほど髪を振り乱すその姿もかっこいい。反対サイドにいる太っちょのギタリストも動きはかっこいい。ベーシストは前に行ったり後ろに行ったりと結構せわしない。

なんかインキュバスを思い出させるボーカリストは、ピアノのバラード曲ではマイクを通さずに歌うなど、バンドメンバーに負けず劣らずエモーショナル。「これは自分達の国(=アメリカ)の曲なんだけど、暴力が収まりそうにない自分達の国のことを恥ずかしく思うよ。」と語るなど、話す内容もエモーショナル。

だけど最後の最後になったそのカッチョメンなギタリストの機材がおかしくなってしまい、ローディー総出で復旧に務めたけれど結局ギターから音が出ることはなく、「ギターがおかしくなっちゃった。ごめんよ。」という言葉を残してメンバー全員がステージを降りてしまった・・・・。 ここまでのテンションが半端じゃなかったせいもあって、妙に尻切れトンボなショーのエンディングに、皆唖然・・・・。


● JELLY (Tent Stage: 観戦10分間)

メチャメチャ寒い中、またまたテントステージに移動。寂しい客入りの中、その時そこでプレイしていたのはまるでグレイがパンクバンドになったようなメンツだった。そういやさっきUseless IDのプレイが終わりもしないうちに強引にテントの中に入って来た超迷惑な集団がいたが、やっぱりそんなファンにはそんなバンドありきといった感じで、もうこのバンドに関してはこれ以上ノーコメント。


● VANDALS (Main Stage: 観戦55分間)

メインステージ横では、今度はThursdayのサイン会が行われていた。だけどサイン会がスタートするやいなや開演時間を5分ほど前倒ししてトリのVandalsのショーがキックオフ。オフスプリングの幕張メッセ公演の前座として一度だけ観たことがあるVandalsだが、いやぁ、やっぱライヴハウスで見る彼らのギグはこれまた最高ですな。

ア・パーフェクト・サークルのジョシュ(=ドラム)が所属していたバンドだけあって、各人のプレイヤビリティーはもちろん最高なんだけど、それ以上に笑えるところが笑える。ボーカルの「ギターソロ!」という声に導かれたエディヴァンヘイレンモデルのギターソロは、ボリューム奏法(=バイオリン奏法)を用いた、チョーキング一発の「キュイーーーン」というラインを大仰なアクションと共に何度も何度も垂れ流すだけ。「ドラムソロ!」という声に導かれたドラムソロは、「この太鼓ひとつだけを使ってドラムソロをやれ。それも魅力的なやつをやれ。」と突然言われ、タムタムひとつだけを使って意味不明の短いドラムソロがあっただけ。 最後にはそのギタリストがマイクを握り、「これから色々な芸をやるから、気に入ったらオーーと言ってくれ。」と言った後、意味不明の軟体体操(?)でもって大歓声を浴びるという芸の細かさ(?)。 高々と積まれたギターアンプの上によじ登り、ヴァン・ヘイレンも真っ青なライトハンド奏法を見せ付けた後、そのギターをズボンの中に入れて股間奏法(?)まで披露する芸の大胆さ。お客さんも曲を良く知っていて、ダイブして着地した瞬間に突然向けられたマイクに対してちゃんとコーラスを付けるという芸のダイナミックさ。

さすがトリを務めるバンドだけあって、最高に楽しませてもらった1時間だった。


(END - 20:50)


お客さんの絶対数が少なかっただけあって、ボロらしいボロがほとんど出なかったこのウドー主催の冬フェス。ミュージシャン達も普通にその辺をブラブラしていたのがこれまたフェスっぽくてよかった。来年(というか今年)もこのフェスが日本で開かれるかどうかは微妙だけど、ぜひまたこのぐらいのキャパで同じフェスを開催してほしいものだ。色々なパンクバンドをタイムラグなしで観られるというのは魅力的だよなぁ。入場料も6000円でかなりリーズナブルだし。
 
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Last updated: 2004/01/11