Burps Online

Disc Review

- Oct 2002 -

Believe Disturbed

本屋で立ち読みをしていたら、ヘヴィメタ誌Burrn!が目に留まった。普段は全く読まない雑誌だけれど、今月はアクセル・ローズが表紙だったので手に取ってみたのだ。そこには今のアクセルローズの写真数点と、サマーソニック2002の千葉&大阪レポートが掲載されていた。レポートの方は大阪での主催者側の誘導の悪さに悪態を垂れていたのが最も印象的だったんだけど、どうしても前で観たい!というジャーナリストらしからぬファン根性に、当日同じ会場にいたガンズファンの人間としては同情を禁じえなかった。

読みたかったガンズネタに全て目を通してしまったので、ついでに後ろのページをパラパラっとめくっていたら、ディスターブドが2ページに渡って特集されているのが目に付いた。音を聴いたことがあるならば、ディスターブドはヘヴィメタルじゃねえだろ?!と言いたくなる人もいるだろう。 でもちょっと待て。 こういう音を近年は「ヘヴィロック」とか「ニューメタル」とか言われているみたいだけど、2つの言葉を合わせれば単なる「ヘヴィメタル」じゃないか。(・・・しかし「ヘヴィロック」って、「ヘビーロック」っては絶対に書かないよなぁ。・・・なんでだろ?)

まあそういった音楽のカテゴリ分けに関してはちょっと置いとくことにして、ここ最近のアメリカでの売れ筋オルタナティブバンドの傾向を見ると、「レイジ系」のラップに合わせてハードロックを鳴らすバンドは徐々に影が薄くなり、むしろきちんとしたメロディーを歌い切る「トゥール系」のバンドが多くなってきている。(・・・かなり強引な括りですみません。) いやまあでもトゥールは完全に別格のバンドだとしても、フィルター、デフトーンズといった老舗然り、システム・オブ・ア・ダウン然り、パパ・ローチ然り、フィンチ然り、そしてこのディスターブド然りなんだけど、このようにまっとうなハードロックなメロディーとまっとうなハードロックなリズムギターで勝負するヘヴィボトムなバンドはいくつでも名前を挙げることができる。 そして去年のシステム・オブ・ア・ダウンと同様、このディスターブドのアルバムは、発売と同時に全米Billboardチャートのナンバーワンを獲得するほどの凄まじい売れ行きを記録した。 さらに、この10月から始まったコーンとのライヴツアーが、全米中のロックキッズ達の間で最もホットな話題となっている(はずだ)。(・・・しかしこのコーンのニューアルバムも凄まじいアルバムだった! 凄まじすぎて聴くのが臆病になるぐらいだもの。他のバンドの百万光年先を突っ走っているよ、このバンドは!)

ディスターブドの音というのは、彼等の音を言葉で表そうとすればするほど、まっとうなハードロックとしか捉えられない。歪ませたギターリフに、メロディアスなボーカルが絡むという、まあこの時点でやっぱすでに「ハードロック」としか言いようがないですな。ギターはメチャメチャ上手なのに超絶高速ギターソロがなかったり、ツーバスなのにそれを誇示することなくサラサラっとドラムを叩いているところから、テクニック至上主義の伝統的ヘヴィメタルとは居を異にして聞こえるのだろう。でもまあこれはやっぱハードロックだし、ヘヴィメタルとして聴けば聴けないこともないな、やっぱ。 けど最近のラップメタルにはちょっと飽き飽きしていたので、こういうオーソドックスなボーカルの入ったハードロックはすごく新鮮に聞こえるし、全曲ほとんど似たようなテンポで押し通しているのに、なぜか似た印象を持つ曲がひとつもない。恐らくこれは、シャウトすればするほど暑苦しくなるクリードやブッシュとかと違って、フォルテッシモに近づくに従って逆に憂いが増してくるというデヴィッド・ドレイマンのボーカルの個性ゆえだとは思うけど、これだけ完成度の高いアルバムなんだから売れて当然っちゃ当然だよな。

Burrn!のライヴ評にも書いてあったし、自分のレポの中でも何箇所か触れているけど、少なくとも大阪でのガンズのライヴは、演奏的には良くなかったと思う。 でもあの完ぺき主義のアクセルが、ろくなリハーサルもせずにここまでガンズの再生を急いだのはどうしてだろうか? 過去10年もの間、アクセルはこのタイミングを待っていたんだと思う。 オーソドックスなハードロックがまたメインストリームに戻って来る日をひたすら待っていたんじゃないかと思う。 そしてこのディスターブドやフーバスタンクといった若手らと同じ土俵に上がって勝負を挑んできたアクセル・ローズは、時代と直接に向き合うことは避け、80年代懐メロバンドとしてアメリカをツアーしてきた同窓生たち=モトリー・クルーやシンデレラやポイズンとは決定的に異なるし、だからこそ今のガンズ&ローゼズからは個人的に目が離せない。



結局、ディスターブドの新譜紹介なのかガンズ&ローゼズの思惑推測のどっちなんだか分からなくなってきたので、今日はこの辺で。



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Last updated: 10/12/02